窓ガラスは割れれば交換するし、たとえば日中に日光が差し込んできて室内温度があまりにも上昇してしまうようであれば、赤外線をカットするハイテクガラスと交換することだってあるはずです。室内のエアコンの効きが悪いとか、冷気や暖気が抜けている気がする場合、やっぱり窓ガラスが原因のことが多いと言いますし、子どもが生まれて音が近所迷惑になりそうだと思えば、遮音性能に優れた窓ガラスがほしくなるものです。

しかし、どんなに機能的な窓ガラスであったとしても、交換したくないものもあります。我が家の場合、もともと建物が古い洋館だったこともあり、採光目的でステンドガラスが使われているのですが、その一部が先の地震で立て付けにズレが生じてしまったのか、隙間風が入ってくるようになりました。
しかし曾祖父の代から我が家の天井付近から眺めてきたステンドグラスには、単なる採光目的の窓ガラス以上の価値があるのです。屋敷全体の雰囲気を構成する大切な要素でもあるわけで、おいそれと別の窓ガラスやステンドグラスに交換することも出来ず、本当に困ってしまいました。
(参考:お気に入りの窓ガラスを交換しなければならない

もちろん、ステンドグラスの修理を専門にしている業者さんにも依頼しましたが、設置されている場所が悪く、取り外してみないと状態もわかりにくく、最悪は外してみたが修理どころか元に戻すことも出来なくなるということでした。もちろんお金を払ってもっと細かく現場調査してもらえば詳細がわかるのでしょうが、足場を組むだけで60万円以上かかるというので、ちょっと二の足を踏んでいるのです。
いっそのこと、住宅リフォームを行って、家中のステンドグラスをすべて取り外してリユースし、別途高機能ガラスを入れようかとも考え始めました。窓ガラスなんて通常は単なる建具のひとつと考えがちですが、思い出の詰まったものや、長い歴史のあるものは取り替えが効かないのです。まして私一人の意見ではなおさらというわけです。